○核実験に抗議します。
まず核実験に強く抗議します。
核は人体に破壊的で非人道的で筆舌に尽くし難い惨禍をもたらします。そしてその被害は自然界全体に及びます。海を隔てた大陸の山地が大きく汚されたことに満腔の怒りを感じました。
また国民を抑圧し、搾取し、その金で核開発をしていると考えると虫酸が走ります。
アメリカによる体制圧殺の圧力に対する対抗的措置、休戦協定締結のための措置、国内統治の強化、など、理由などはどうでも良いです。
ただただ、国民の大多数が貧困に喘ぐ社会を形成促進している一部身内・利権集団の独裁体制でしかない現在の指導部に怒りを感じます。

○共和国の核を巡る状況
共和国の核を巡る状況はしかし、根本的には変化しません。アメリカは既に共和国を潜在的な核保有国と見ています。中国とロシアも共和国の核武装を本気で阻止しようとは思っていません。
安全保障理事国が最大に懸念するのは核拡散であり、その可能性がある場合、限定的な武力行使がされると思います。
これら国際社会の動向を全て把握した上で共和国は核実験を実施しました。
そして、この核実験は共和国の内政・外交の両方の道具として使用されています。
外交的には対米交渉のカードであり、その目的は体制の安全の保障と援助物資です。
各国は共和国の核保有を非難するでしょうが、主権国家による主権の防衛のための核武装一般は禁じられる行為ではなく、安保理常任国の一国として核廃絶を主張している国はありません。
核は国家主権の究極の防衛手段であり、それはつまり国家主権を破壊する最強の道具なのです。
安保理常任国以外の核クラブ入りした国もまた共和国を非難していますが、あまりにも偽善的な態度と言わざるを得ません。特に共に開発をした仲であるパキスタンとイランの非難声明は聞くに堪えません。
無論核兵器は許されざる兵器であり、その使用もまた人類に対する罪です。特にアメリカはその使用に関して同義的な責任を有しています。一刻も早く謝罪と補償を行うことを要求します。

共和国の核を巡る状況を一言で言い表すとすれば、それは巨大な茶番であるということです。
あまりにも茶番です。
そこには核兵器に対する怒りも、抑圧され、搾取されている民衆への共感も欠落された茶番です。
国際社会のどちらを向いても国家と体制の擁護者の言動のみが存在し、形式的な批判のみが存在しています。
あまりにも、あまりにも茶番です。
この茶番こそ度し難い人間と社会に対する敵対的な行為です。

○共和国は知るべきである。
共和国は知るべきです。自らが人間と社会に対して行っている行為が、その誇りと尊厳を奪う茶番でしかないことを。それは国家が行いうるもっとも恥かしいことなのです。
そして国際社会とその擁護者たちは、みずからがその度し難い茶番の道化者にしか過ぎないことを知るべきです。
国際社会は今こそ、核兵器完全廃絶に向けて動き出すべきです。非戦闘員を殺害するという人道に反する兵器である核兵器を許してはいけません。核のもたらす残酷性に目を向けるべきです。そしてまた、何より、共和国の民衆の惨状と抑圧に目を向けるべきです。
共和国は、その抑圧と傲慢を人々がますます知りつつあることを知り、歴史の舞台から早急に退場するべきです。早く亡命地を見つけ隠遁することを進めます。それもまた無理でしょうが。

以上